【コート別勝率】

現役 2020/12/31現在 現役選手にとっては大きく変動するデータであるため参考値扱いとする。
青字の選手は1968年以降の成績。データ不足のため参考値扱いとする。

ハードコート》 上位10名 ※2009年時点で現役の選手はアウトドアハードのみ ※更に2019年、計測方法を変更。現役選手はハードコート全体の成績とした。
ジョコビッチ 84.12%
フェデラー 83.55%
1レンドル82.60%
2コナーズ82.50%
3マッケンロー80.72%
4サンプラス80.41%
レーバー79.75%
5アガシ79.00%
6エドバーグ78.82%
ナダル 77.88%
マレー 77.87%
7ベッカー77.39%
8ボルグ76.54%
9ロディック76.07%
10メチージュ74.76%
11ジーン・メイヤー74.36%
   
テニス界ではハードコートの大会が最も多い。
このコートは、どのようなプレースタイルの選手でも力が発揮される最も平等なコートだと言える。
ハードコートでの強さは、テニスそのものの強さを表していると言ってもいい。
さすがに強い選手が上位を占めている。

地味に10、11位に入っているメチージュ、ジーン・メイヤーの成績にも注目すべきであろう。

現役では、ジョコビッチフェデラーの数字が素晴らしい。


クレーコート》 上位10名
ナダル 91.75%
1ボルグ85.86%
2レンドル81.44%
ジョコビッチ 80.07%
3ビラス79.63%
ローズウォール79.51%
4ナスターゼ77.59%
5コナーズ77.56%
6クレルク77.38%
レーバー77.19%
7ムスター77.01%
8オランテス76.85%
9ビランデル76.74%
10ケント・カールソン76.12%
フェデラー 76.11%
ティエム 75.13%
   
ここでのボルグの強さは揺るぎないものだと言える。
クレーは非常に特徴的なコートで、クレーのみを得意とする選手が多く存在する。
それでも、勝率80%に達する例というのは多くない。
ハードコートで上位だった選手がここで登場する例は少ない。

クレーコートには、一般的なレッドクレー以外に、グリーンクレーというコートがある。
 同じ土のコートなのだが、球足はグリーンのほうがやや速い。
 かつては今よりもグリーンクレーの大会が多かった。
 速いコートが得意であったコナーズ、マッケンローのクレー勝率が比較的高いのは
 グリーンクレーの大会に多く出ていたからだとも言われている。

クレー巧者の名前が多いが、ナスターゼ、オランテス、ビランデルは他のコートでも戦えた選手といえる。
一方、クレルク、ムスター、そしてここでも驚きの登場のケント・カールソンは生粋のクレー巧者だ。

現役では、ナダルが相変わらずだ。


グラスコート》 上位11名
フェデラー 87.38%
1マッケンロー85.61%
ジョコビッチ 84.07%
マレー 83.59%
2ボルグ83.56%
3サンプラス83.47%
4コナーズ83.33%
5ベッカー82.27%
レーバー81.82%
6ロディック79.63%
ニューカム79.33%
7エドバーグ78.57%
8シュティッヒ78.21%
ナダル 78.02%
アッシュ77.46%
ローズウォール77.30%
9レンドル76.42%
10ヒューイット75.88%
トム・オッカー75.21%
11ラフター74.75%
12ビランデル74.63%
   
マッケンローボルグを抑えて一位。
しかしボルグも、グラスとクレーが逆の特性だということを考えれば、驚異的な数値である。
最近はグラスコートの大会が減っていて、ウィンブルドンとその他いくつかしかなくなってしまっている。
そのため、グラスでの勝率はそのままウィンブルドンでの勝率と言えるのかもしれない。

9位のレンドルや12位のビランデルは決してグラス巧者ではないのだが高い成績を収めている。
一方でキャッシュ、アガシ、イバニセビッチ、クライチェクといった
歴代のウィンブルドンチャンピオンがランク外になっているのは印象的だ。

現役フェデラーがトップというのは変わらず。

カーペットコート(インドア)》 上位12名 ※2009年時点で現役の選手はインドアハードも含む ※更に2019年、計測方法を変更。現役選手はインドア全体の成績とした。
1マッケンロー84.39%
2レンドル82.66%
3ボルグ82.16%
4コナーズ82.12%
フェデラー 80.98%
5ベッカー80.12%
マレー 78.77%
アッシュ78.47%
レーバー77.62%
ジョコビッチ 77.61%
6サンプラス76.60%
ニューカム74.04%
7ソデルリング74.03%
8カフェルニコフ73.66%
9ロディック73.45%
10ナルバンディアン72.50%
11ヒューイット71.43%
デミノー 71.43%
12イバニセビッチ71.37%
デル・ポトロ 71.01%
13エドバーグ70.82%
錦織圭 70.80%
ツォンガ 70.09%
ナダル 70.08%
  
カーペットコートはハードコートと比べると、ややバウンドが低くそして球足が速い。
ハード同様平均的なコートだが、若干グラスコート寄りであるといえる。
グラスでも強さを発揮したマッケンローがここでも首位を取り、コート別4部門のうち二冠を達成した。


カーペットを得意とした5位ベッカーの健闘が光っている。
また、カフェルニコフの好成績も驚きといえるのではないだろうか。

意外にも75%を上回っている選手が少ない。
他のコートでは上位10名のほとんどが75%に達しているが、ここでは10位の選手が70%を切っている。

※2009年にATPのカレンダーからカーペットコートが消えたことを受け、
 現役選手に関してはインドアハードをこちらに含めることにした。
 その結果、データが少なくて参考にならなかった現役のデータがまともなものになった。

※2019年に更に集計方法を変更した。ATP等の多くのデータ収集サイトではコート種別に関係なく「インドア」としてデータを取り扱うことが多い。
 インドアハードでの試合だとハードにもインドアにも影響してしまうことになるのだが、選手の傾向を見るのに大きな問題ではないと判断できるため
 周りの状況に合わせ、今後はこちらの集計方法を採用することとする。

現役の顔ぶれは、他のコートと比べて随分と多彩なものになっている。
トップはフェデラーで、現役で唯一の80%保持者だ。


《総括》

4種類全てのコートでランク入りしているのはレンドル、コナーズ、ボルグの3人。
青色選手ではレーバー現役ではフェデラージョコビッチ、ナダルとなっている。

3種類でのランク入りというのはマッケンロー、サンプラス、ベッカー、エドバーグ、ロディックの5人と
青色選手ローズウォール。 これに現役マレーが加わる。

2種類でトップ10入りしているのは、ビランデル、ヒューイット
青色ニューカム、アッシュである。 現役では存在しない。ここは是非、新たな勢力の登場を待ちたいと思う。

シュティッヒ、アガシ、ビラス、ナスターゼ、メチージュ、ナルバンディアンあたりは1種類のみのランクインだが、
その他のコートでも次点とも言うべき数字を出しており、どのコートでも戦える印象を与えている選手と言えるだろう。
青色スタン・スミスもこれに相当する選手である。
また、1つもランクインしていないが、4種類全てが次点的な位置にいるゲルライティスタナーもこの系統に分類できる選手だ。
現役ではデル・ポトロが全てのコートで70%を達成している。




《得意コートでの成績》75%以上
各選手が、最も得意とするコートでどれほど強いか。
ナダル 91.75% Clay
フェデラー 87.38% Grass
1ボルグ85.86%Clay
2マッケンロー85.61%Grass
ジョコビッチ 84.12% Hard
マレー 83.59% Grass
3サンプラス83.47%Grass
4コナーズ83.33%Grass
5レンドル82.66%Indoor
6ベッカー82.27%Grass
レーバー81.82%Grass
7ビラス79.63%Clay
7ロディック79.63%Grass
ローズウォール79.51%Clay
ニューカム79.33%Grass
9アガシ79.00%Hard
10エドバーグ78.82%Hard
アッシュ78.47%Hard
11シュティッヒ78.21%Grass
12ナスターゼ77.59%Clay
13クレルク77.38%Clay
14ムスター77.01%Clay
15オランテス76.85%Clay
16ビランデル76.74%Clay
17ケント・カールソン76.12%Clay
18ヒューイット75.88%Grass
トム・オッカー75.21%Grass
ティエム 75.13% Clay

 
ボルグマッケンローの数値が際立っている。

   
現役では、ビッグ4がとんでもない数字を見せている。



《苦手なコートでの成績》60%以上
続いて、一番苦手なコートでどこまで勝てたかという数値。かなり面白いデータが取れた。
ジョコビッチ 78.35% Indoor
1コナーズ77.56%Clay
レーバー77.19%Clay
2ボルグ76.54%Hard
3レンドル76.42%Grass
フェデラー 76.11% Clay
ニューカム72.26%Clay
アッシュ72.08%Clay
4マッケンロー71.95%Clay
デル・ポトロ 70.18% Grass
ナダル 70.08% Indoor
マレー 69.93% Clay
スタン・スミス69.60%Indoor
ローズウォール69.05%Indoor
5エドバーグ68.32%Clay
トム・オッカー66.98%Indoor
6ビラス66.67%Indoor
7ベッカー66.30%Clay
8ゲルライティス66.27%Grass
9シュティッヒ66.12% Hard
ツォンガ 64.29% Clay
ラオニッチ 64.00% Clay
10アガシ63.64%Indoor
11ナスターゼ63.60%Indoor
12ゴットフリード63.57%Clay
13ロディック63.56%Clay
14メチージュ63.53%Indoor
15ヒューイット63.23%Clay
16タナー62.66%Clay
17ナルバンディアン62.12%Hard
18サンプラス62.50%Clay
錦織 62.50% Grass
19ニストロム62.16%Indoor
ガスケ 62.08% Hard
チリッチ 61.86% Clay
ベルディフ 61.47% Indoor
D・フェレール 60.23% Indoor
20クーリエ60.17%Indoor
ズベレフ 60.00% Indoor

   
コート別で最も苦手がない選手はコナーズだ。
それをボルグレンドルの2人が僅差で追っている。
勝率75%以上という驚異的な数字を残しているのはこの3人だけ。


70%オーバーになるとこれにマッケンローが加わる。
苦手なコートで勝つことが、どれほど大変なのかがよくわかる。


68%台を残している5位エドバーグの成績は特筆すべきだろう。

     
以下、66%を超えているビラスからシュティッヒまでの選手は大健闘と言える。
その下の10位のアガシになると数字が急に落ちているのが印象的だ。


地味ながら、サンプラスの上に位置するメチージュは、
どのコートでも戦えた選手として往年のファンなら懐かしく思い出す名前だと思う。
ここでもしっかりと顔を出しているのは嬉しいところだ。

   
現役ではジョコビッチが1位、フェデラーが2位となっている。
この2名はコナーズ、ボルグ、レンドルと並んで全てのコートで75%の大台に乗せている。
デル・ポトロ、ナダル、マレーも高い場所にいる。
その他、表の下の方に現役選手がまとめて入っている。


 
60%に達していない数字では、
芝でも土でも勝てる印象のあったイバニセビッチ(58.19%ビランデル(55.56%が、
より平均的なはずのコートでここまで低いデータになっているのが面白い。


ソデルリング(57.93%もこの系統に属する選手であろう。
この選手の稀有なところは、これに比してのインドア勝率が異様に高いことだ74.03%
全集計選手のうち (インドア勝率) - (ハード勝率) の数字が最も高い選手となっている。

 
また、全仏優勝者のカフェルニコフ(57.79%と 準優勝者のコルダ(57.79%が、
共にクレーを一番苦手としているのは驚きの事実だろう。

クレーコートグラスコートは相反する特徴を持つので、
それぞれのコートを得意とする選手がもう一方のコートで極端に数字が低くなっているという例も多い。

《低いグラス勝率を持つクレー巧者の例》
クエルテン46.67%
ムスター41.18%
コレチャ36.36%
ダビデンコ33.33%
コスタ22.22%
ベラサテギ0.00%
ケント・カールソン0.00%

0%の2人のうち、ベラサテギは0勝2敗、ケント・カールソンに関しては試合経験なし!!


《低いクレー勝率を持つグラス巧者の例》
ラフター51.43%
クリーク48.00%
カルロビッチ42.19%
キャッシュ40.96%
ルゼドゥスキー37.04%
K・カレン33.33%
メイヨット29.63%

さすがにハードコートインドアコートに関してはこれほど極端に苦手だという例はない。
一応インドア勝率0%というデータが1例だけあるが、お察しのとおりケント・カールソンである(当然試合数0)。

※コート種別に関しては【コート種別検証】により詳しい説明を載せているので是非ご参照を!

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