福山芳樹(元ハミング バード)のアニメでGO!(2000.08.12)

 行ってまいりました、福山芳樹ソロライブ。しかし、なんなんでしょう、このイベント名は……?? 主催のアジャパ・ドット・コム(株)は、完璧に福山芳樹のファン層を勘違いしてましたね。まず入場の際に美少女イラストが書いてあるポストカードとトレカサイズのカードをプレゼントされました。女性ファンも数多くいるというのに、まったく何を考えているのやら……。「福山芳樹→バサラ→アニメファン=オタク=美少女好きのヤロー」とでも思ってるんでしょうかね。自分もヤローでアニメファンやってますが、「花より団子」ってゆーか「美少女よりメカ」ってタイプだし。ま、趣旨はともかく、あんな素晴らしいホールを用意していただいてありがとう、アジャパ・ドット・コム(株)! ウワサ通り麻生祥一郎がドラムを務め、森田哲郎がベースを担当しました。

【 曲 目 】

1 DREAM JACK 
「アニメでGO!」だからなのか、「エーアガイツ」の主題歌からスタート。でもハミングのライブでもよくトップにやってたから、偶然かも。久しぶりにロックな福山氏が観られて嬉しかったのですが……。
2 しあわせの涙
解散後のライブに10割の確率で登場する曲。ちょっと飽きたかも。
3 夢の道
「アニメでGO!」に当てはめるのであれば、別名、マクロス7で言うところの「ディスイリュージョン」という曲。それはともかく、この曲は大好きなので、前回といい、今回といい、嬉しい選曲でした。
4 GOOD MORNING
これまたお気に入りの曲。演奏後のMCで福山氏が「今月中にインターネット始める宣言」。森田氏はすでにHPを持っているので、麻生氏にムリヤリ「俺とどっちがHPを先に開くか競争だ!」と張り切る福山氏。麻生氏は乗り気じゃなさそうでしたが……。
5 Lonely Night
ここで森田氏を初めて紹介。先に発売された森田氏のデビュー曲を演奏。なかなかいい曲なのですが、イマイチ歌い方にメリハリがなく、最初から声を張り上げすぎてていたのが気になりました。Aメロをもっと抑えて歌えば、サビの良さが引き立つのでは?
6 MAD MACHINE
久々の演奏ですね。今回サビのところの照明が白から赤に変更されていたのが気になりました。白も良かったのですが、赤もなかなか「マッド」でよろしいかと。
7 NIGHTINGALE
「アニメでGO!」に当てはめるのであれば、別名、マクロス7で言うところの「ON THE WIND」。この曲からサポートメンバーが引っ込み、福山氏のアコギ引き語りに。
8 8月6日
再び森田氏を迎え、アコギ2本で演奏。森田氏はとてもこの曲に感銘を受けたとのこと。遠回しに反戦を訴えたこの歌、自分も大好きです。今度のソロアルバムには「たぶん入る」とのこと。
9 逢いたくて
森田氏のラブバラード。福山氏がサポートに回り、アコギ2本で演奏。とてもいい曲なのですが、やはりここも盛り上げるところが早すぎたような気がしました。声を張り上げるのはサビだけでよろしいかと。
10 JULIA
ピアノソロ弾き語り。「まだ未公開の曲を」と言って一瞬どよめきが起こりましたが、いつもの福山流天然ギャグでした。「アニメでGO!」に当てはめるのであれば、別名、DTエイトロンで言うところの「OUTSIDE THE WALL」ですね。久々の演奏ですね。自分は去年の4月に横浜サムズアップで聴いて以来というところでしょうか? 今回福山氏は病み上がりで本調子でないのか、音が高いメロディーラインの部分を変更して歌っていました。でも曲の最後には声を振り絞って意地を見せてくれました。さすが福山さん! でもあんまり無理しないでね。
11 MY SOUL FOR YOU
ふたたび麻生氏を呼び、3人体制に。もう、マクロス7といえばコレですね。これまた苦しそうに歌っていました。
12 君は来ない
間奏ではT字型に張り出したステージ(花道というのでしょうか?)に飛び出して、福山氏と森田氏がギターの弾き比べ。かなり盛り上がったのですが、コーラスが入らないのは寂しいかぎり。
13 FLY AWAY
かつて自分がハミングライブに於いて一番ノレる曲がこの曲でした。今回のライブ、自分はこの曲までまったくノーリアクションだったのですが、さすがに自然と口が動き、一緒に歌っていました。しかし……。
14 まだまにあうさ
ラストは定番のこの曲。「アニメでGO!」に当てはめるのであれば、別名、マクロス7で言うところの「POWER TO THE DREAM」。これも一緒に歌いました。
アンコール
ハッピー・バースデイ
いつも「デビュー曲を」と言って紹介していた曲。今回は「古い曲を」と……。なんだか寂しくなりました。この曲、福山氏はさすがにやり慣れているのか、上手に歌い切ってくれました。しかし、森田氏のコーラスとベースが時々狂って聴こえたのが残念。
この空の下に君がいるから
やはりこれは福山氏の曲です。二度と他人に歌わせないで欲しいと切に願います。もうこの曲が通りすぎた後にはペンペン草も生えませんね。アンコールも起きませんでした。森田氏のサポートも頑張っていましたね。

【総 評】

 いいライブでした。なんたって会場が素晴らしいホールでしたし、急造ユニットにしては十分に合格点を挙げられるクオリティでした。しかし相変わらずMCがダメダメ。福山氏を尊敬しているという森田氏が福山氏に遠慮して率先して喋りにくいというのはわかりますが、福山氏も麻生氏も、もう喋らない喋らない。演奏と演奏の合間で、あまりにも長く続く沈黙に対し、観客が笑いだすこともしばしば。福山氏はなんで笑いが起こるのかがわからなさそうでしたし。もうちょっと二人ともMCの重要性というものを考えて欲しいですね。

 今回いちばん気になったのが、「ハミングの曲を演奏しているのに古屋氏だけが居ない」ということ。いくら演奏がよくても、そのことが引っ掛かって、素直にライブを楽しめませんでした。結局自分は最後まで、一度も拳を振り上げることはありませんでした。そう、まだドラムが麻生氏でなかったら、ここまで複雑な気持ちにはならなかったのだと思います。麻生氏のドラムは大好きなのですが、やはり「古屋氏だけが居ない」ということを考えたら、麻生氏にはステージに立って欲しくなかったです。自分は、麻生氏が居るということだけで、「福山芳樹ソロライブ」ではなく、「古屋氏の居ないハミング」ということに感じられたのです。とてもいいライブだったから嬉しいのに、喜べない自分というのが哀しいですね。でもこの状況を突き付けられたら、多かれ少なかれ、ファンのみなさん、思うところがあるのでは?

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