次のような方に最適です。
ハイハイ、斜め読みで結構です。まあ、無理にアニメを好きになれとは言いませんが……。
ハイハイ、みんな最初はそー言うんです。ま、騙されたと思ってちょっと読んでみてください。
ハイハイ、順を追って説明しましょう。
【1】日本アニメ史における「マクロス」のポジション
1964 | この年、漫画の神様「手塚治虫」によって日本で初めてのTVアニメが製作されました。言わずと知れた「鉄腕アトム」です。日本のTVアニメ史は最初の作品からして「ロボットもの」だったわけです。これ以後、日本のアニメ史のターニングポイントには、必ずと言っていいほど「ロボットもの」と呼ばれるジャンルの作品が出現しています。 |
1972 | '72年はロボットがバカになった記念すべき年です。それまでの作品に登場するロボットは、みな意志をもっていました。人が乗り込んで操縦する初めてのロボット、それが「マジンガーZ」です。現在言われている「ロボットもの」と言われるジャンルを確立したのがこの作品でした。設定段階からスポンサーの玩具メーカーが深く関り、主役メカのおもちゃを販売することで採算を得るという図式を確立しました。 |
1974 | この年製作された「宇宙戦艦ヤマト」は、明らかにそれまでの作品よりターゲットの年齢層が上でした。当初、視聴率が稼げず打ち切りとなりましたが、再放送で大ヒット。一大アニメブームがおこりました。この大ヒットを受けて、これ以後、大人の観賞にも耐えうるアニメが続々と製作されるようになったわけです。(ヤマトは、いわゆるロボットものではありませんが、非常にメカメカしい作品であることには変わりないですやね) |
1979 | この年を境に「ロボットもの」のジャンルは2つに分かれます。ひとつは「マジンガーZ」や「ゲッターロボ」に代表される「スーパーロボットもの」。これは敵が宇宙人や悪の秘密結社などで、毎回攻めてくる悪のロボットを主人公が乗るスーパーロボットが必殺技の名前を叫んでやっつけるというような内容のものです。
そしてもう一つのジャンルは、この年製作された「機動戦士ガンダム」によって確立された「リアルロボットもの」です。「機動戦士ガンダム」でロボットは「モビルスーツ」と呼ばれ、戦争で使用される兵器という扱いでした。敵も同じ人間で、戦争の中で展開される政治劇や青春群像などの本格的な人間ドラマを展開しました。ガンダムもヤマトのように当初視聴率が振るわず打ち切りとなりましたが、これまたヤマトのように再放送で大ヒット。このヒットを受けて、これ以後多数の「リアルロボットもの」が製作されました。 |
1982 | ガンダム製作時のコンセプトは「ヤマトをぶっつぶせ!」でした。結果、ガンダムはヤマトを「過去の遺物」に追いやるほどぶっつぶしたわけです。ガンダムが築いた「リアルロボットもの」の路線を継承し製作された「超時空要塞マクロス」のコンセプトは「ガンダムをぶっつぶせ!」でした。
「マクロス」はガンダムだけでなく、数ある過去の作品群にことごとくケンカを売った作品でした。「リアル」に徹するために「ガンダム」ではご法度だった宇宙人の登場。本格的なSF設定とは裏腹に、ドジで視野が狭くて情けない主人公、わがままで頭の悪い性悪なヒロイン、何をやってもうまく行かないマヌケな艦長等々、おバカなキャラが大行進。戦争そっちのけで男女の三角関係を描く等、「いいかげん」な話を繰り広げました。しかしマクロスは大ヒット。半年予定だった放映期間を延長させたほどでした。 大ヒットの原因は2つ。1つは、劇中ヒロインのアイドル「リン・ミンメイ」と実在のアイドル「飯島真理」とのタイアップした商品展開。もう1つは、カッコイイ可変メカの存在。F14そっくりな戦闘機が変形してロボットになったり、戦艦が変形して巨大ロボットになったり……。それらのメカもちゃんと「変形する理由」の設定がしっかりいていて「リアル」でした。これ以後、「可変メカ」「歌」「三角関係」という三種の神器がマクロスシリーズの定義となりました。 まあ、「マクロス」がケンカを売った「ガンダム」は、つぶされるどころか「ガンダムもの」という1ジャンルにまで成長してしまいましたが、数ある「リアルロボットもの」の中で、現在も続編が作られ続けているのは、「ガンダム」「マクロス」「ボトムズ」ぐらいなものです。(ボトムズは最近ゲームでしか展開していませんが……) |
つづく
「あの〜、マクロス7のお話は?」
ハイハイ、今回は導入部ってとこで。
「ひとこと言ってよろしいですか?」
ハイハイ。
「騙された」
ハイハイ。