【年間成績】

※ここでの年間の定義についてはページの一番最後に記述してあるので参照のこと。


【年間勝率】
主要選手の最高年間勝率を比較してみた。(1968年以降)
現役 2019年終了時点

名前達成年勝利敗戦年間勝率
1マッケンロー198482396.47%
2フェデラー200581495.29%
3ジョコビッチ201582693.18%
4コナーズ197487792.55%
5ボルグ197974692.50%
 レンドル198674692.50%
7ナダル201845491.84%
8ビラス19771321391.03%
9マレー201678989.66%
10レーバー197051689.47%
11アガシ199573989.02%
12ベッカー198964888.89%
13ビランデル1983821188.17%
14スタン・スミス1972741187.06%
15ナスターゼ19731141787.02%
16エドバーグ1987781286.67%
17サンプラス1994771286.52%
18ニューカム1974851485.86%
19アッシュ1975971884.35%
20D・フェレール2012761583.51%
21ムスター1995861882.69%
22トニー・ローチ197033782.50%
23ヒューイット2001801881.63%
24トム・オッカー1969431081.13%
25ローズウォール1973591480.82%
 ロディック2005591480.82%
27クレルク1981581480.56%
28リオス1998681780.00%
29錦織圭2014541479.41%
30クーリエ1992691879.31%


1984年のマッケンロー(96.47%)の成績が圧倒的だ。


2005年のフェデラー(95.29%)は、マッケンローをも追い抜くかの勢いで勝ち続けたが、
後半に怪我をしてしまい、残念ながら記録の更新はならなかった。
しかし、それでも歴代2位の大記録である。


ジョコビッチが、センセーショナルな2011年以上の成績で2015年を締めくくった。
2011年は怪我もあって前半と後半の楽さが激しかったが、2015年は年間通じての活躍を見せることが出来た。
評価は人によって様々かもしれないが、数字からも2015年の方をベストイヤーとして良いのではないだろうか。

   
その下では僅差の競いがある。コナーズ(92.55%)がややリード。ボルグレンドルは同率(92.50%)


2013年にはナダルが怪我からの長期復帰の年にも関わらず連戦連勝の成績を収めることに成功した(91.46%)
グランドスラムでは全豪は欠場、ウィンブルドンでは早期敗退だったため、本人にとってのベストイヤーと呼べるかは難しいが、
怪我によって、もう勝てないのではないかと思われていた部分もあっただけに驚くべき勝利を重ねていったのは事実である。
更に2018年には、試合数は少ないものの91.84%という数字を叩き出し、自身の最高年間勝率を塗り替えることに成功している。
試合数が制限された中でもこうした高い勝率を残すことができるというのは試合に出さえすれば図抜けて強いということであろう。
ナダルの最大のライバルは怪我であり、フェデラージョコビッチはその次点なのではないかとも疑いたくなるほどだ。


90%を超えているもう一人の選手がビラス(91.03%)だ。
ビラスは1977年、記録的な大活躍を収めた。
年間勝利数「132」というのは今もって断トツの歴代記録である。
他に年間100勝を達成した例は、ナスターゼの2度(1972年 118勝、1973年 114勝)と、
レンドルの2度(1980年 107勝、1982年 109勝)のみである。


その他では、11位ビランデル(88.17%)に注目したい。最高勝率を記録したのは1983年。
あのグランドスラム3大会制覇した1988年ではないのだ!!
1988年のビランデルは勝率82.81%だった。
この年の他の選手の勝率見てみると、レンドルが83.67%。レンドルにのみに上回られたならまだしも、
アガシ(85.14%)そしてベッカー(86.15%)が更にその上を行っていた。勝率でビランデルは4位だったのだ。
それでも最終ランクは1位なのだから、如何に効率的な成績だったかがわかる。


もう一人、イメージからすると相当な低調ぶりを示している選手がいる。
15位のピート・サンプラス(86.52%)だ。(この数字で低調と言われてしまうサンプラスも凄いが)
サンプラスも、ビランデルと同様、大きな大会や大事な場面に強く、要所で勝ってたことがわかる。
それでもランキングとしては圧倒的だったのだから、この時代、サンプラスが勝っていたというよりも
他の選手が如何に勝たなかったかということがよくわかると思う。


1995年のムスター(82.69%)は、1977年のビラスをも凌ぐ勢いで大会に出場した。
2人は、クレーコートに特化した出場方法や、その中で達成した連勝記録、
共に左利きであり、プレースタイルが似ている点など含め、かなり印象が重なる。
アガシサンプラスから1位を奪取できたムスターに比べ、ビラスコナーズボルグから1位を取れなかった。
しかし、同じだけの大会をこなしながらも勝利数(年132勝と年86勝)、優勝数(年16大会と年12大会)、
クレーコート以外での戦績(グラスコート勝率、72.92%と37.50% )を考えれば、
ムスタービラスには到達しなかったといえるだろう。


また、2012年には30歳のダビド・フェレール(83.51%)が驚きの数字を残すこととなった。
その数字は実に、1988年のビランデルより高い!
同年には同じ年齢のロディックが引退しているのだから、
このような晩年に全盛期を迎えることとなったフェレールの超人ぶりには賞賛の言葉を与えずにはいられない。


2014年、80%には惜しくも届かなかったが、錦織圭がランク入りにふさわしい数字を収めた。
No.1にして絶頂にあったクーリエをも上回る勝率ということで表中に載せることとした。
当サイト開始時には日本人選手の名がここに登場するとは夢にも思わなかったことである。


2016年にはマレーが自身の記録を塗り替え、89.66%をマークした。
当集計が小数点1位を四捨五入であれば90%到達となったところであったが針の穴一つの差で及ばなかった。
これもまたマレーの愛すべき間の悪さである。
らしい記録といえよう。



【年間勝率90%達成者】

名前 達成年(勝率)
コナーズ 1974(92.55%)、1976(90.53%)、1978(92.00%) 3回
ビラス 1977(91.03%) 1回
ボルグ 1977(92.21%)、1979(92.50%)、1980(90.91%) 3回
マッケンロー 1984(96.47%) 1回
レンドル 1982(92.17%)、1985(92.31%)、1986(92.50%)、1987(91.36%)、1989(91.86%) 5回
フェデラー 2004(92.50%)、2005(95.29%)、2006(94.85%)、2017(91.53%) 4回
ジョコビッチ 2011(92.11%)、2015(93.18%) 2回
ナダル 2013(91.46%)、2018(91.84%) 2回

1973年以降、年間勝率90%達成はこれだけである。


やはり5度達成のレンドルが凄い。


2004年のフェデラーが15年ぶりの90%達成者だった。
フェデラーは、翌2005-06年にも続けて達成している。
3年連続での達成というのは、他にレンドルしかやっていない。
そして、2017年、フェデラーは実に11年ぶりとなる90%台を達成した。
出場大会数こそ絞っていたものの、とんでもない快挙である。


《年間勝率80%の場合》

年間勝率80%以上になると、そこそこ達成されている。

フェデラー15回
コナーズ13回
ナダル13回
マッケンロー10回
レンドル10回
ジョコビッチ10回
ボルグ8回
ビラス7回
ナスターゼ6回
サンプラス6回
アガシ5回
ベッカー5回
マレー5回
エドバーグ4回
ビランデル3回
ヒューイット3回

 
フェデラーコナーズをかわして単独1位に君臨している。




【年間10大会以上優勝者】

年間10大会以上で優勝している選手の一覧

達成年名前優勝数
1972ナスターゼ12
1973ナスターゼ14
1973コナーズ11
1974コナーズ14
1976コナーズ12
1977ビラス16
1977ボルグ12
1978コナーズ10
1979ボルグ11
1979マッケンロー10
1981レンドル10
1982レンドル15
1984マッケンロー13
1985レンドル12
1989レンドル10
1994サンプラス10
1995ムスター12
2004フェデラー11
2005フェデラー11
2005ナダル11
2006フェデラー12
2011ジョコビッチ10
2013ナダル10
2015ジョコビッチ11

     
コナーズレンドルが4回、ボルグマッケンローが2回達成している。
結局はビッグ4が凄いんだということで話が落ち着いてしまう。


また、ATPランキング制度導入以前の1972年も含めてということになるが、
初代ランキング1位のナスターゼが2度達成している。


最多記録ビラスの16大会。

 
1990年代は達成が少なかった。サンプラスムスターの2例だけ。


フェデラーが2004-2006年にかけて3年連続で達成した。
これはランキング制度後初の快挙である。


また、2005年はフェデラー以外にもナダルが達成しており、
2人が記録するというのは1979年のボルグマッケンロー以来26年ぶりのことであった。


【コラム】【歴史的選手の年間成績】も要チェック!



※【当サイトの年間データについて】 【2006/2/17の雑記】より転載

記録や文献によって数字に違いが出てくるのがテニスデータです。
古いデータならば尚のことです。これはある程度仕方のないことなのです。

意外にも、最近の記録であっても数字がまちまちであることがあります。
例えば年間成績では、
 マッケンローの1984年を2敗としているものがある(当サイトでは3敗)
 コナーズの1974年を4敗としているものがある(当サイトでは7敗)
などです。

これにはいくつかの原因があります。

まず「年間」の規定の問題です。
12/30〜1/6まで行われる大会があったとします。(事実かつて存在しました)
これはどのように捉えればいいでしょうか?
方法は3つです。
1.12/31までを前年の試合、1/1以降を新年の試合とする。
  しかし2日にまたがる試合もあります。
  また、試合結果は残っていてもそれが何日に行われたというデータまでは残ってないことがほとんどです。
2.大会毎に年度を設定してそれで判断する
  これが現在一般的に行われている方法と思われます。
  しかし、昔は大会がどの年度で区分られていたのか、またそもそも区切りがあったのか判断がつきません。
  幅広い時代を網羅しようと思うならばどうしても不完全な切り分けになってしまいます。
3.大会の開始日又は終了日で判定する
  大会の開始日、終了日がはっきりしていないことはありません。
  過去から現在までの多くのデータを均一に処理するためには、最も有効な方法だと考えられます。

当サイトでは、「3.」「開始日」で判定しています。
しかし、「1.」「2.」を使うケースも普通にあると思うので、その場合は数字に変化が生じます。
また「3.」を使ったとしても「終了日」を基準にすればやはり数字は変化するのです。

続いて、大会そのものの問題があります。
簡単に言えばエキシビジョンマッチを含めるかどうかです。
エキシビジョンの中には本大会顔負けの大会はありますが、
特殊ルールの場合も多く、一般に「含めない」で統一するのが普通です。
しかし、どこまでがエキシビジョンかというと実はごく最近までその基準は曖昧でした。
一応当サイトではATPとITFが認めている大会、ということにしていますが、ATPとITFでも食い違いがあります。
これも捉え方によって数字に変化が出てきてしまうのは止むを得ないことなのです。

最も近いところでは、コート種類がはっきりせずにペンディングとなっている2005年マスターズカップ
曖昧な数値を発生させている好例と言えるでしょう。※2006/02/21 ひとまず解決しました)
こんな最近でも発生する問題ですから、古い記録に曖昧さが無いわけはありません。

当サイトでもデータを扱っている以上、このような問題と対峙していかなければいけません。
どこまで曖昧さを取り外すかというのが重要なポイントです。
当サイトなりの基準を設け、なるべく曖昧さのないデータを揃えられればと考えています。

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