【対決!サンプラスvsアガシ】

 

※データはATPより引用
Pete Sampras (USA) vs. Andre Agassi (USA)
1989-05-15 Rome Clay R32 Andre Agassi (USA) 6-2 6-1
1990-02-19 Philadelphia Indoor Carpet R16 Pete Sampras (USA) 5-7 7-5 ret
1990-08-27 U.S. Open Hardcourt F Pete Sampras (USA) 6-4 6-3 6-2
1990-11-12 Frankfurt Indoor Carpet RR Andre Agassi (USA) 6-4 6-2
1991-11-11 Frankfurt Indoor Carpet RR Pete Sampras (USA) 6-3 1-6 6-3
1992-04-27 Atlanta Clay F Andre Agassi (USA) 7-5 6-4
1992-05-25 Roland Garros Clay QF Andre Agassi (USA) 7-6(6) 6-2 6-1
1993-06-21 Wimbledon Grass QF Pete Sampras (USA) 6-2 6-2 3-6 3-6 6-4
1994-03-07 Key Biscayne Hardcourt F Pete Sampras (USA) 5-7 6-3 6-3
1994-03-28 Osaka Hardcourt SF Pete Sampras (USA) 6-3 6-1
1994-10-31 Paris Indoor Carpet QF Andre Agassi (USA) 7-6(6) 7-5
1994-11-14 Frankfurt Indoor Carpet SF Pete Sampras (USA) 4-6 7-6 6-3
1995-01-16 Australian Open Hardcourt F Andre Agassi (USA) 4-6 6-1 7-6(6) 6-4
1995-03-06 Indian Wells Hardcourt F Pete Sampras (USA) 7-5 6-3 7-5
1995-03-13 Key Biscayne Hardcourt F Andre Agassi (USA) 3-6 6-2 7-6(3)
1995-07-24 Montreal Hardcourt F Andre Agassi (USA) 3-6 6-2 6-3
1995-08-28 U.S. Open Hardcourt F Pete Sampras (USA) 6-4 6-3 4-6 7-5
1996-02-12 San Jose Indoor Hardcourt F Pete Sampras (USA) 6-2 6-3
1996-10-21 Stuttgart Indoor Carpet QF Pete Sampras (USA) 6-4 6-1
1996-11-18 Hannover Indoor Carpet RR Pete Sampras (USA) 6-2 6-1
1998-02-09 San Jose Indoor Hardcourt F Andre Agassi (USA) 6-2 6-4
1998-04-20 Monte Carlo Clay R32 Pete Sampras (USA) 6-4 7-5
1998-08-03 Toronto Hardcourt QF Andre Agassi (USA) 6-7(5) 6-1 6-2
1999-06-21 Wimbledon Grass F Pete Sampras (USA) 6-3 6-4 7-5
1999-07-26 Los Angeles Hardcourt F Pete Sampras (USA) 7-6(3) 7-6(1)
1999-08-09 Cincinnati Hardcourt SF Pete Sampras (USA) 7-6(7) 6-4
1999-11-22 Hannover Indoor Hardcourt RR Andre Agassi (USA) 6-2 6-2
1999-11-22 Hannover Indoor Hardcourt F Pete Sampras (USA) 6-1 7-5 6-4
2000-01-17 Australian Open Hardcourt SF Andre Agassi (USA) 6-4 3-6 6-7(0) 7-6(5) 6-1
2001-03-12 Indian Wells Hardcourt F Andre Agassi (USA) 7-6(5) 7-5 6-1
2001-07-23 Los Angeles Hardcourt F Andre Agassi (USA) 6-4 6-2
2001-08-27 U.S. Open Hardcourt QF Pete Sampras (USA) 6-7(7) 7-6(2) 7-6(2) 7-6(5)
2002-04-22 Houston Clay SF Pete Sampras (USA) 6-1 7-5
2002-08-26 U.S. Open Hardcourt F Pete Sampras (USA) 6-3 6-4 5-7 6-4
Pete Sampras (USA) leads 20:14
Hard: Pete Sampras (USA) leads 11:9
Clay: Andre Agassi (USA) leads 3:2
Grass: Pete Sampras (USA) leads 2:0
Carpet: Pete Sampras (USA) leads 5:2

【90年代最高のライバル】

サンプラスの20勝14敗。
大差というほどではないが、サンプラスが多めにリードしている。

コート別に見ると、グラスコートでサンプラスが2戦2勝なのは納得できるが、
クレーコートでもサンプラスが2勝3敗と善戦してるのが意外だった。
両者得意のハードコートではサンプラスの11勝9敗で、ほぼ互角となっている。

両者の対戦は、明確にサーブアンドボレーグランドストロークの対決となった。

絶好調時のサンプラスのサーブは強烈で、
相手が世界一のリターンを持つアガシであっても、それを圧倒することができた。

一方、ストローク戦になれば基本的にアガシに分があった。
しかしサンプラスの強烈なフォアハンドは、時にアガシからもポイントを取ることができた。
また、調子の良いサンプラスは、弱いほうのバックハンドでもポイントを取ったし、
スライスの浅い球などを効果的に使ってアガシのハードヒットを巧みにかわしたりもした。

このため、観戦している上では全体的にサンプラスのほうが強いと思わせる部分が多かった。

もっともアガシの場合、相手の方が強いように見えても最終的には勝ってるということがよくあった。
特にビッグサーバーが相手の場合はそうだった。
サーブで簡単にエースを取られ、ストロークで善戦されても、
ある瞬間にブレークしてそのままセットを取るなどということができる選手だった。

【レンドルvsサンプラス】のプレースタイルの項でも
  サンプラスアガシのストロークについて触れているので参照のこと。


結果から見ればサンプラスにここまで対抗できた選手もいないといえる。

両者が口を揃えてベストマッチと呼ぶ試合がある。2001年の全米準々決勝だ。
この時は、サーブのブレークが一つもなく、全てタイブレークで勝負が決した。
もちろんお互いが高いレベルでキープしあった試合であった。
結果は、サンプラスがセットカウント3-1で勝利した。



【キャリア比較】

 
両者共にテニス史上に残る名選手だが、そのキャリアをトータルで比較すると、
概ねサンプラスのほうが上だと言えるのではないだろうか。

例えば「コナーズとボルグ」「マッケンローとレンドル」では
捉え方や考え方によってどちらが最強とも言えるように思うが、
サンプラスアガシの場合、サンプラスを差し置いてアガシが最強だとは言いにくい。

サンプラス  アガシ
生涯勝率77.44%76.05%
グランドスラム勝率84.23%80.87%
ハードコート勝率80.41%79.00%
クレーコート勝率62.50%72.73%
グラスコート勝率83.47%73.53%
カーペットコート勝率76.60%63.64%

全体的にサンプラスが優位である。強いていうならクレーコート勝率の低さが問題だが、
グランドスラムでの破格の強さを考えれば帳消しにもできよう。
アガシもそれほどクレーで大勝しているわけではないのだから。

ただ、アガシには、生涯グランドスラムという誰にも負けない実績がある。

《両者のグランドスラム成績》

サンプラスアガシ
全豪全仏全英全米全豪全仏全英全米
1986       1回戦
1987     2回戦1回戦1回戦
1988   1回戦 ベスト4 ベスト4
19891回戦2回戦1回戦4回戦 3回戦 ベスト4
19904回戦 1回戦優勝 準優勝 準優勝
1991 2回戦2回戦ベスト8 準優勝ベスト81回戦
1992 ベスト8ベスト4準優勝 ベスト4優勝ベスト8
1993ベスト4ベスト8優勝優勝  ベスト81回戦
1994優勝ベスト8優勝4回戦 2回戦4回戦優勝
1995準優勝1回戦優勝優勝優勝ベスト8ベスト4準優勝
19963回戦ベスト4ベスト8優勝ベスト42回戦1回戦ベスト4
1997優勝3回戦優勝4回戦   4回戦
1998ベスト82回戦優勝ベスト44回戦1回戦2回戦4回戦
1999 2回戦優勝 4回戦優勝準優勝優勝
2000ベスト41回戦優勝準優勝優勝2回戦ベスト42回戦
20014回戦2回戦4回戦準優勝優勝ベスト8ベスト4ベスト8
20024回戦1回戦2回戦優勝 ベスト82回戦準優勝
2003    優勝ベスト84回戦ベスト4
2004    ベスト41回戦 ベスト8
2005    ベスト81回戦 準優勝
2006      3回戦3回戦

アガシの4大会全制覇は素晴らしい。また、長期間に渡っての活躍も見事だ。
いずれもアガシ最強説の根拠となりうる記録である。
一方のサンプラスも、ウィンブルドン優勝7回という記録が凄まじい。

ただ、優勝回数に限っていえば見事だが、早期敗退が多い点についても触れないわけにはいかない。
両者とも、全盛期ともいえるトップランクを争っていた時期に早期敗退を経験している。
それも1度2度ではない。少なくともシードを守ったことになる4回戦進出が最低限のラインだろう。

 
コナーズレンドルは、この2人以外にグランドスラム200勝を達成することのできた選手だが、
全盛期といえる数年の間に早期敗退をしたことは一度もない
コナーズは12年連続、レンドルは9年連続で早期敗退なしである)

どんなに強い選手でも不意に負けてしまうのが、90年代テニス界の特徴だったともいえる。



【苦手の選手】

90年代テニス界でほぼ最強を誇っていたサンプラスアガシだが、
中には、両者を苦しめた選手もいた。ここではそのような選手を挙げてみたい。

【サンプラスの場合】



《同時代にサンプラスが負け越している選手》

 
名前対戦成績
ブルゲラ2勝3敗
クライチェク4勝6敗
シュティッヒ4勝5敗
ロスターニョ1勝2敗
ハーヒュース1勝3敗

サンプラスであっても、対戦成績で負け越している選手はいるのだ。
特に後二者は伏兵ともいえる選手である。
ブルゲラにも負け越しているが、クレーコート得意のこの選手からクレーで1勝しているのは注目だろう。
クライチェクサンプラスに強かったのは当時としても有名だった。
ただ、それでもほとんど大負けしてないのは流石だといえる。

《より若い世代とサンプラスの対戦》

 
名前対戦成績
ヒューイット4勝5敗
サフィン3勝4敗
フェデラー0勝1敗
ロディック1勝2敗

後期のサンプラスの低迷振りから、これら新世代の選手全てに負け越しているのは仕方ない。
特にヒューイットとの対戦は、始めはほとんどサンプラスが勝っていたが、途中からヒューイットが勝ち続けた。
ヒューイットはグラスコートでサンプラスに2戦全勝だった。
また、フェデラーの1勝も、尊敬するサンプラスからウィンブルドンであげた1勝だった。
グラスコートのサンプラス最強神話を崩した選手たちであり、
今にして思えば世代交代を決定付ける対戦だったといえるだろう。


【アガシの場合】



《同時代にアガシが負け越している選手》

 
名前対戦成績
サンプラス14勝20敗
クーリエ5勝7敗
リオス1勝2敗
シュテーブ1勝3敗
クチェラ3勝4敗

アガシも特定の選手に大負けはしなかった選手だ。唯一サンプラスということになるだろうか。
サンプラスの場合と同様、後二者が伏兵といえる選手なのが面白い。
もっとも、アガシはデビューが早かったので、
80年代には多くの選手と対戦していてしばし負けている。(レンドルゴメス等)
それも含めれば負け越しも結構あるが、90年代の記録をメインとしたので、
それらはここでは参考にしなかった。

《より若い世代とアガシの対戦》

 
名前対戦成績
フェデラー3勝8敗
ロディック5勝1敗
ヒューイット4勝4敗
サフィン3勝3敗
フェレーロ2勝3敗
ナダル0勝2敗

サンプラスと違い、アガシはこれら新世代の選手たちとほとんど互角に戦っている。
長期に渡って活躍してきたアガシの面目躍如たる結果だろう。
唯一、フェデラーに大きく負けているが、これはある程度仕方がない。
初顔からは3連勝していたが、その後8連敗いう状況だ。
フェデラーが桁違いに強くなった2004年以降に6回(2004年2回、2005年4回)
対戦しており、うち3つがグランドスラムだ。
むしろ、次世代の最強選手とグランドスラムで繰り返し対戦したアガシを褒めるべきであろう。
2005年にブレークしたナダルとは対戦しているだけでも驚きである。


【レンドルvsアガシ】【レンドルvsサンプラス】も、
 他選手との対戦成績やプレースタイルが載っているので要チェック!


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